SERVICE SCIENTIST’S JOURNAL
サービス
の
定義
サービスとは何か。サービスの定義を組織で共有認識することが、本質的なサービス改革の第一歩となる。
「サービス」とは何でしょうか?
長年サービス向上を進めていたり、サービス改革に奮闘している企業でも、「サービスの定義は?」と問うと、うまく答えられなかったり、人によって違う答えが返ってきます。活動メンバーが「サービスの定義」を共通認識していない状態では、議論や活動が噛み合いません。サービス改革の第一歩は、サービスの定義とその本質を理解するところから始まるのです。
サービスの定義から本質を掴む
【サービスの定義】
”人や構造物が発揮する機能で、顧客の事前期待に適合するものを「サービス」という”
ここでは最も重要なポイントのみ解説します。それは、「事前期待」です。
顧客に提供することすべてが、無条件に「サービス」になるのではありません。顧客の事前期待に適合するものだけがサービスなのです。裏を返すと、いくら良かれと思ってしたことであっても、顧客の事前期待に適合していなければ、それはもはや「サービス」ではないのです。では、何なのか。残念ながら「余計なお世話」や「無意味な行為」「迷惑行為」と呼ばれてしまうのです。
つまりサービスを提供しようと思ったら、顧客の事前期待を捉えなければならない。さもなければ、サービスを提供することすらできない。これがサービスの定義の最も重要なポイントです。
なぜ「事前期待」を強調するのか
実は、サービス改革に取り組む企業の多くが、「何をしたら良いのだろうか」「何を開発したら良いのだろうか」と、具体策の検討から始めてしまいます。事前期待を捉えていないがゆえに、打ち出した具体策が空振りしてしまっているケースが多々あります。これは実にもったいないことです。まず我々が真っ先に議論すべきは具体策として「なにをするか」ではなく、「どんな事前期待に応えるべきか」なのです。
ただし、「事前期待」と言っても、顧客ごとに様々です。そこで「事前期待とはいったい何なのか」についても、合わせて理解しておく必要があります。
サービスは目に見えないからこそ、定義や本質を組織で共通認識することで、本質を捉えたサービス改革を推進したいものです。
※サービスの本質を科学する理論や手法を事例やワークも交えて理解したいという方は、是非セミナーもご活用ください。