SERVICE SCIENTIST’S JOURNAL
作動スイッチ
を
組み込む
価値あるサービスをモデル化したら、そのメカニズムを駆動させる「作動スイッチ」を組み込みます。そのスイッチとはどんなものでしょうか。
肝心なスイッチが入らないと絵に描いた餅
価値あるサービスをモデル化しても、そのメカニズムが駆動しなければ、顧客に価値を届けることはできません。そこで必要になるのが「作動スイッチ」を、サービスモデルの中に組み込むことです。
顧客の事前期待の作動スイッチをONにする
勝負プロセスの事例として何度か取り上げてきた提案営業のプロセスモデルの場合で考えてみましょう。このケースでは、提案営業の本当の勝負プロセスは「提案」ではなく、「相談」だと分かりました。
ということは、相談プロセスの前段階で、相談したい気になってもらうための工夫が必要になりそうです。これが「作動スイッチ」に相当します。
たとえば、初めての顧客訪問で、一方的に会社説明や準備していった仮提案の資料を説明して帰ってきていないでしょうか。これでは相談したい気持ちが失せてしまい、サービスプロセスモデルは駆動しません。作動スイッチはOFFのままです。
そうではなく、顧客の背景や問題意識を聞き、思いに共感し、これからの構想に意気投合して意見交換できたら、会社紹介や仮提案など準備した資料を説明しなくても、次はもっと突っ込んだ議論を一緒にしてみたいと声をかけてもらえるのではと。
「何を提案するか」ではなく、「どんな思いを共有できるか」の方が顧客にとって重要で、これが作動スイッチになるのではと。
作動スイッチを見つけるヒント
ではどうやって作動スイッチを見つけるのでしょうか。それは、顧客の事前期待をヒントにします。顧客の事前期待に応えるために、サービスプロセスはどうあるべきか。その中で勝負プロセスはどこにあるのか。そこから逆算して、勝負を決めるためにはどのプロセスでどんな事前期待を持っていてもらうべきか。このように紐づけていけば、自ずと作動スイッチが見つけられます。
作動スイッチにも、様々なタイプがあります。それは、改めて優れたサービスの事例とともに紹介していきたいと思います。