SERVICE SCIENTIST’S JOURNAL
サービスモデル
とは
ビジネスモデルは事業者を主語にして「いかに儲けるか」を設計するのに対し、サービスモデルは顧客を主語にして「いかに価値共創するか」を設計したものです。サービスモデルの組み立て次第で、サービスの価値や競争力は大きく変わります。
サービスモデルとは
”サービスは顧客と一緒につくるもの”という「共創」の考え方が重要です。モノづくりのように、工場で作ったモノを届ける「提供型」では、つくるプロセスに顧客は直接的には関わりません。「良いサービスは喜ばれるに決まってる」と思って、勝手にサービスを作って提供しても、サービス事業はうまくいかないものです。この考え方を心得なければ、サービスの開発や価値向上はうまくいきません。それを具体的にサービスの構成要素に落とし込んだものがサービスモデルといえます。
サービスモデルの3つの構成要素
サービスモデルの構成要素は、「事前期待の的」を中心に据えるサービス設計に始まり、大きく3つに分けられます。(詳しくは「事前期待の的を見定める」を参照)
A.サービス設計(サービスの価値や姿を決定付ける)
A‐1.事前期待の的
A‐2.事前期待に応えるサービスメニューや機能
A‐3.事前期待に応えるサービスプロセスモデル
B.自己革新のしくみ(サービスの成長や進化の力になる)
B‐1.やってみるしくみ
B‐2.サービス設計を磨くしくみ
B‐3.人材が育つしくみ
B‐4.運用を継続するしくみ
C.共創効果(構想の実現やサービスイノベーションを加速する)
C‐1.顧客との価値共創を加速する効果
C‐2.事業シナリオと連動して事業共創を強化する効果
C‐3.現場との事業共創を加速する効果
サービスモデルの組み立ての上手さが事業の強みになる
ビジネスモデルのトップランナーは、ビジネスモデルで差をつけてみも、すぐに真似をされてしまうために、競争優位性にはなりにくくなったといいます。そこで今、「サービスモデル」で差別化する取り組みが進んでいます。
ちなみに、ビジネスモデルは事業者を主語にして「いかに儲けるか」を設計するのに対し、サービスモデルは顧客を主語にして「いかに価値共創するか」を設計したものです。サービスモデルが上手く組み立てられれば、顧客とのエンゲージメント、従業員とのエンゲージメントの両方が高まり、事業成果や事業シナリオの実現が加速するのです。
自社のサービスモデルを自覚する & 他社のサービスモデルをひも解く
これまで「サービスモデル」の観点で自社の事業や、他社の事例を分析していない企業は多いと思います。是非一度、やってみてください。おそらく、現状の盲点や伸びしろが明確になるのではと思います。あるいは、他社の事例をサービスモデルの観点でひも解いてみてください。これを「サービスモデルマーケティング」と呼んでいます。これにより、業種や業界の枠を越えて、これまで以上に深い学びや洞察が得られるのではと思います。
※サービスの本質を科学する理論や手法を事例やワークも交えて理解したいという方は、是非セミナーもご活用ください。